アドリビトムからは最初の4人を含め10人の行方不明者が出ていた。
さらに様々な地域でも行方不明が続出し、魔物の動きも活発化。
各国や自治体でも捜索隊と討伐隊の増員、ギルドや無所属冒険者にも協力を要請していた。
しかし、捜索の規模を巨大にすればするほど、魔物に取り込まれる人間が増えてしまう事を知る者はいなかった…………。
困っている友を、家族を、愛する人を救いたいその優しく美しい心は、魔物にとって容易につけ入る隙になってしまう。

人が人である限り、捨てきれぬその想いが自分たちを苦しめる枷となる。
だが、その美しい心が人である証であり、何物にも代えがたい神秘な光である、その光が闇に堕ち漆黒に染まっていく様も、また神秘的で美しい………。

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